もちろんそうですよね。
でも人間は複雑です。
ちょっとミステリーのようですが、自分も知らない自分、という
世界がひょっとして存在するのかもしれません。
何かの拍子に、自分では想像もしなかった力とか能力が
自分に備わっていたことに気づいた経験はありませんか。
私にはあります。
大学を出て就職した会社で突然、経理部に転属になりました。
経理など関心がないし、むしろ嫌いな分野でしたので大いに
ショックでした。会社を辞めようか、と悩みました。
しかし結論からいうと、経理は私に向いていたのです。誰か
私の隠れた能力を見抜いてくれたひとがいたのかもしれま
せん。
経理を経験したことで、青年期の私は自分のキャリアを確立
できたばかりでなく、その後の人生を切り開いてくれた大切な
リソースを手に入れたのです。
◆ ◆ ◆
ひとには誰でも自分のなかの隠れた部分があります。心の闇
の部分、という言い方もできますが、もっと前向きに潜在的な
才能、と考えましょう。潜在的なこころの奥底には、あなたが
まだ気づかない才能がひっそりと眠っているのです。
その気で探せば、あなたの未来を切り開いてくれるリソース
がきっと見つかるかもしれません。
漫画家の弘兼憲史氏は、自分のなかの70%は変わらない
部分、つまり「石」であり、30%は自分でも分らない自分の
世界で、つまり「風」である、と表現しています。
・・・自分のなかの「風」はどこに吹いていくかわからない風だ。
自由な生き方を求める自分だ。何になりかわるかもしれない
自分だ。そのことだけは信じよう。
(『「いい人」をやめる男の成功哲学』)
ロマンのある表現ですね。
(2009.5.20)