20-8-16初夏の水辺c夏の思い出

(3)マネジャーとチーム
ここではマネジャーの視点に立って、チーム力を高める具体的な取り組みについて考えてみましょう。
どうしたらチームを一丸としてチーム力を高めることができるのでしょうか。

ミッションを掲げる
どんな優秀な社員がいても、他のメンバーの気持ちがバラバラではチームとして成果は出せません。
チーム一丸とするには、まずミッションを掲げることです。
企業には社会的使命を果たそうというミッションがあります。あなたのチームにもミッションを作るのです。上位にある企業ミッションと矛盾のない範囲で、チーム独自の「使命」が打ち出せるといいですね。大事なのは、メンバーの心を奮い立たせる「言葉」、共に戦う仲間のシンボルとしての「軍旗」なのです。「このサービス(製品)で地域のお客様に笑顔を届ける!」など崇高なものが望ましいです。
やりがいのあるミッションを言語化してみて下さい。

協働プロジェクトを始める
第二に取り組むことは、協働プロジェクトを始めることです。
敢えてチームの全員を巻き込んで参加させるプロジェクトを実施するのです。マネジャーとして新しい部署に配属されたときなど、少し様子が分かってきた段階で何か新しいプロジェクトを戦略的に始めることがあります。「部門としての新しい課題を見つける」テーマを掲げて全員にアイデアを募る、などはいいかもしれません。議論を盛り上げて、発表会など開くのもチームの一体感を生む効果があります。


横のコミュニケーション
第三に提案したいことは、メンバー同士の横のコミュニケーションを活発化させる工夫です。チーム内には非公式のグループが自然発生的に形成されていることでしょう。しかしそれは「ヒト」を介したグループであって、チームの成果に直結するものではありません。あくまでも「チームの成果」という「モノ」を介した人間関係を形成する必要があります。
1on1ミーティングはマネジャーとメンバー間のコミュニケーションの改善に役立ちます。しかしそれだけではメンバー同士の横のコミュニケーションが欠落してしまいます。マネジャーは、1on1ミーティングで知りえた情報を活用して、メンバー同士のコミュニケーションを促し、活性化させるのです。メンバーたちがマネジャーの指示を待たずに、自発的に行動し始めたら大成功です。それはチーム力の強化に繋がる第一歩となることでしょう。

柔軟性
多様なメンバーのチームをまとめるには、マネジャーの柔軟性が求められます。外国人との混成チーム、あるいは異端児がいたり、様々な社員がチームには存在します。これをまとめていくマネジャーの資質として柔軟性が求められます。いろいろな人がいて、皆個性は違っていて構わない、むしろ違っているほうが面白い、とポジティブに捉えきれる幅の広い人間力です。

マネジャーになることは、最初は苦しいと思うかもしれません。しかし人間の能力は柔軟に出来ています。スキルを身に付けて困難と立ち向かい、柔軟に対応し、何とか切り抜けることが出来たとき、きっとあなたは内面的に成熟が進んでいることでしょう。
チームをまとめて成果を出していく、ということは、シンプルに聞こえてもそうた易いことではありません。しかし誠実にメンバーと向き合い、自分と向き合うことができれば、決して不可能なことではないのです。自分を信じて、メンバーを信じて一歩を踏み出して下さい。

(2021年9月17日)