19-1-18LiliesF6
           Lilies 2019

 最近町で外国人の姿を見ることが増えました。
服装などからみて観光客ではなく、この街に定住して
いる人たちです。
 現在定住外国人の数は256万人(2017年末)で、
毎年増加し続けているのです。

 こんなに増えていって、将来大丈夫なんだろうか、
とちょっと心配になります。短絡的ですが、数年前
ヨーロッパで頻発したテロなども頭をよぎります。

 「すべての不安は無知から起こる」。まずは知ること
から始めよう、という訳で今回は外国人問題について
調べてみました。

    ◆    ◆    ◆    ◆    ◆

 昨年暮れに国会で出入国管理法改正案が可決され、
今後5年間で最大34万5千人の外国人労働者の受け入れ
が決まったことはご周知のとおりです。

 背景にあるのは日本社会の人口減少です。
2010年代の10年間で270万人の人口減の予測が、次の
2020年代には620万人減。更に2030年代には820万減
と大規模な人口減少予測が続きます。

 当然深刻な労働力不足が見込まれます。政府は労働力
不足への対応として、既に「働き方改革」の下で定年延長に
よるシニア社員の活用、育休、保育園など働く女性支援など
の政策を打ち出しています。
 今回の入国管理法改正は外国人労働力を「人手不足」の
補完に使う試みなのでしょう。

 日本はいよいよ「移民」国家に踏み切る時期にきているの
でしょうか?

    ◆    ◆    ◆    ◆    ◆

 政府は「移民」という言葉を避けて「定住外国人」という
言い方をしています。実態は「移民」であるのに、公的に
はこれを認めていないのです。国民のなかにある「移民」
への抵抗感を恐れての政治的配慮かと思われます。
 政治的にはともかく、「移民」は本当に必要なのか、
という問題を考えなくてはなりません。

 海外の事情はどうなのでしょうか?
移民比率は日本では1.9%ですが、欧州をみると、ドイツ
12%、イギリス13%、フランス10%、ベルギー
16%、というように、軒並み総人口の1割を越えています。
スイスは何と27%という高さ!
(Eurostat2016年資料)

 「移民先進国」である欧州からみると、少子高齢化の先頭
を行きながら、「移民政策」に舵を切ろうとしない日本は
大丈夫か?と思われているようです。

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 日本は島国なので世界から孤立しやすいことは確か
です。だからといって、日本人は閉鎖的な国民性である、と
いう議論には組しません。江戸の鎖国時代250年の影響は
否めないでしょう。
 しかしそれ以前の遣唐使船や戦国期の海外発展期のよう
に、日本人には冒険を求める開かれたDNAも存在するの
です。だからこそ、明治以降に急速な近代化を果たすことが
できたのではないでしょうか。
 
 今は、冷静に「移民政策」に踏み切ることのメリット、
デメリットを検討してみることが大切です。
 放っておくと2050年頃に日本の人口は1億を割り込む見
通しです。 今の生活レベルを落としたくないのであれば、
ある程度の移民受け入れは必要かもしれません。

 移民政策を取る場合のポイントは次の3つです。

1)「移民」受け入れる場合のルール作り。
  どのくらいの時間をかけて、どんな形態で受け入れるか
  摩擦を起こさない速度で、確実に受け入れていくこと
2)「外国文化」を受け入れる体制作り
  何のために受け入れるのか、についてのコンセンサスを
  地域レベルでのきめ細かい体制作り
3)ダイバーシティ教育
  外国人もひとりの個人。「ひと」として受け入れていく
  姿勢が大切。相手文化の尊重などまさにダイバーシティ

    ◆    ◆    ◆    ◆    ◆

 全豪オープンで大阪なおみ選手が優勝し、ランキング
世界一になりました。相撲界、陸上などスポーツ選手にも
肌の色、国籍を超えた「日本人」が活躍しています。
 
 これからも身近なところで外国人を目にしたり接する
ことが増えてくることでしょう。
 私たちが暮らしていくうえで、何かが少しづつ変わって
いくことはある意味自然だと思います。今までだって
そうだったわけですから。  
 
 「ひとは感激に生き、保守に死す」
と言った明治期の日本人がいました。

 異質な文化、肌の色の違いに惑わされることなく、
積極的にいい所を見て取り入れていくことでこの国の歴史
は動き、文化は豊かになっていったのだ、と思います。
 元来「和の文化」とは、異質なものを上手に取り入れ
ながら新しいものを生み出す、という文化なのですから。 

 外国人だからといって好奇の目で見るのはほどほどに
して、同じ人間、ひととしてみることができるようになれば
いいな、と思います。
 こちらが色眼鏡を外して見れば、きっと相手のいい所が
見えてくることでしょう。

(2019.1.29)

参考:
「限界国家」 毛受敏浩 2017年 朝日新書