17-7-21初夏

多くの会社員にとって、自分の定年後の生活がどうなるか
気になるところです。平均寿命が伸びている一方で、頼みの
年金制度にも長期的には心配もあります。

組織での生き方しか知らない会社員の方は、組織から離れる
定年前に早めに準備を始めることをお勧めします。
私も早めに準備したつもりでしたが、今のコーチ業が軌道に
乗るまで7~8年はいろいろな試行錯誤を経験しました。まして
定年になってから何かを始めようと思ってもキャリアチェンジ
には容易なことではありません。
では一体どんな準備をしたらいいのでしょうか?

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(1)長寿社会の生き方

まず第一歩として、これからの社会がどうなっていくかという
大きなトレンドを概観しておきましょう。

最近「ライフシフト」という本が話題になっています。
イギリスの社会学者と経済学者が共同で研究した本ですが、
要点だけ述べると、近未来には100歳まで生きる長寿
社会が到来すること。同時にイノベーションが進むことにより、
既存の人生キャリア概念が不適合となり、定年後といえども仕事
キャリアを追及し続ける「マルチステージ」の時代に移行する、
というものです。

既存のキャリア理論をひっくり返す、今までにない画期的な書物
です。キャリアという「個人」的な事象が、それを取り巻く社会環境
のダイナミックな変動にともな伴ってどう影響されていくのか、
という視点で描かれているのです。

ここには多くのヒントが詰まっています。
テクノロジーの加速度的な進歩につれて、ひとの生き方が今以上に
大きく影響を受けてきます。例えばAIやロボット化は多くの人の仕事
を奪うことでしょう。ではどうすればいいか。
もちろん答えはあります。それは恐らくひとりひとりの中に
あると思います。

技術の発達は、ある産業に携わる人の仕事を減らしますが、
同時に別の仕事や産業を生み出すのです。これは過去の
歴史でも起きたことです。

人間はもはや機械やAIに代替できるような単純作業や
力仕事をする必要はないのです。
ではどんな仕事が人間に残されるのか・・・、というと、
機械やロボットに出来ない、人間にしか出来ない仕事
ということです。

理性よりも感性。非常に人間臭い、繊細さ、高度な判断力
などを必要とする仕事となることでしょう。
そういったことに関わる領域から新しい事業や産業が
近い将来生まれてくるのではないでしょうか。
だからこそ、答えは人間としての個人のなかにあると思うのです。

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話が逸れましたが、定年後の準備の第一歩として、こうした
大きなマクロの社会の動き、トレンドを理解しておくことが必要です。
それが理解できれば、自分に何がやれる仕事の範囲や、必要
とされるキャリアが理解されてくるし、考えを深めていくことが
やりやすくなることと思います。



参考図書
「ライフシフト」リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット
東洋経済新報社