新聞を広げると、総選挙の話題でもちきりですね。各党の

マニフェストが出揃い、選挙戦も激しさを増しているようです。

景気のことも、年金のことも気になるところですが、しかし政治

にはもっと大事な議論が抜けている気がします。

それは、これからのこの国の未来の選択に関する議論です。

 

未来の選択をぐっと単純化してみます。選択肢はふたつあり

ます。第一が豊かさの基準を今までどおり経済重視とする選択。 

経済成長を維持し、拡大しながら社会の富を増加させていくこと

です。 GDP主義とも言えるでしょう。社会全体のパイを大きくする、

「公」が価値の中心にあります。 

第二の選択は、豊かさの基準を経済以外のもの、例えば

「住みやすさ」や「生活しやすさ」という人間の幸福感に置くもの

です。国民総幸福量(GNH)という言葉がありますね。社会を支

える「個」が価値の中心にあります。

 

                           

 

つい最近までわが国は「滅私奉公」でやってきました。第一の

選択である経済主義で突っ走ってきましたが、時代は今、ようやく

個人の幸福を中心にした社会を求めはじめているように見えます。

 

選挙での争点のひとつは、中央政府から地方への財源委譲の問題

ですが、その先にあるもの、つまり個人の生活環境をいかにしたら

守り、より快適にできるか、という議論があるべきです。

働きすぎと過大消費で進んできた私たちの社会ですが、その身体は

肥満した不健康体と化し、見えない部分で個人生活の犠牲を強い、

自然環境破壊という莫大な「外部損失」を引き起こしています。

私たちは自分たちの社会をどんな社会にしたいのか、政党のマニフェ

ストに頼ることなく、自らしっかり見極める必要があります。

 

こうした議論については、既に20年以上前から国をあげて取り組んで

いる先進国があり、次の言葉は勇気を与えてくれます。

 

未来は予測するものではない。選択するものである 

(デンマークの環境学者、ヨハン・ノルゴー)


(2010.10)