NHKの朝の連続ドラマ「マッサン」で、ヒロインのエリーは
「人生はadventure(冒険)よ」、とよく口にします。
亡くなったエリーの父からもらった言葉でした。

自分の好きな所で生きるがいい。
失敗してもいい。
間違ったらまたやり直せばいい。
人生はお前のものだ。
人生は冒険旅行だ。悔いなく生きるんだよ。

エリーはこの言葉に支えられて、故郷スコットランドから遥か
遠い日本までやって来て、マッサンのウィスキーへの情熱に
賭けたのでした。

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人生は、その先に何が起きるか分からないことの連続です。
自分も人並みに人生航路を進んでいけるのだろうか。自分
にはできないかもしれない。
私もそうでしたが、若い頃は未来に対して不安で一杯になる
ものです。

自分に自信が持てないでいることは若者なら仕方がないこと
です。ひとは何かをやってみて失敗を繰り返しながら学んで
いくのです。怖くて不安で一杯ですが、そこに留まっていないで
勇気を奮い起こして一歩を踏み出すことが大事です。

「人生は冒険!」という言葉は、そうした苦境にいる自分に対する
激励なのです。

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逆に「人生は楽園」と考えるひとがいます。
人生は誰もが楽々と生きられる楽園、と思い込んでいるのです。
誰も手に入れられるはずの幸福を自分だけが手にできないのは
不公平だ。だから世の中が悪い、と考えます。
他力本願のエゴイストに陥っています。

彼らは将来のことを考えないようにしたり、無理に自分を過大評価
して自己万能感に浸っています。失敗を恐れるあまり、何事にも
挑戦しようとしません。現実から逃避しているのです。

人生は最初から出来上がっているディズニーランドのような楽園
ではありません。
自分が行動しない限り何も始まることはないのです。

「冒険」が嫌いなひとの気持は分かります。失敗することは誰でも
嫌だし、避けたいものです。しかし自分が何かを成し遂げたいと
思うのなら、あるいは、自分の人生を輝かせたいと思うのなら、
「冒険」は欠かせないことなのです。

怖いと思うかもしれませんが、一歩踏み出してみれば意外に
大丈夫なものです。たとえ失敗してもいいのです。
すべての責任は自分にありますから、失敗しても怖くないのです。
やり直せばいいのです。

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人生のイメージをどう描くか、そのイメージでひとの未来が変わ
ってきます。「人生は楽園」と思うか、それとも「人生は冒険」と
考えるかでひとの生き方は180度変わるからです。

「人生は楽園」というのは、もっと年を取るまで残しておいて、
若いうちは「人生は冒険」の精神で生きていくことを
お勧めします。


(2014.12.11)